インピーダンススペクトロスコピー法に基づいた熱電変換モジュールの無次元性能指数zTの評価

摘要

熱電モジュールの発電性能を調べる際には、温度差を一定に保ちながらI-V特性を測定する定常法が多く用いられるが、測定のために熱電対やリード線等の付属品を必要とするデメリットがあげられる。また、DC電流およびAC電流を印加した際の抵抗値R_(DC), R_(AC)を測定するハーマン法も知られているが、入力電流周波数の適切な設定値が定められておらず、zT 値を決定する際には不明瞭な測定誤差が生じるという問題点がある。一方、非定常熱伝導方程式を適切な境界条件で解いたインピーダンススペクトロスコピー法（IS法）では、熱流測定を必要とせず、モジュールに設置されているリード線を用いることで入力電流の周波数測定により zT を決定できる。さらに、RC 近似を用いて、モジュールを図1に示したような等価回路と見なすことで、式(1)のような関係からインピーダンスの周波数依存性が明らかとなる。