転写法による中赤外帯プラズモニック構造の作製及び表面光電界分布のナノスケールイメージング

摘要

波長サイズを下回る一点に光を集中させ増強させる技術は非常に有用であり，様々な分野に利用されている．光の集中はメタマテリアルやプラズモニック構造のような人工的な微細構造によって実現されてきた[1]．それらの特性はいくつかの分光学的手法によって研究されてきたが，従来手法では光学的構造の表面光電界の直接観測は回折限界により不可能であった．本研究では回折限界を克服するために走査型近接場光顕微鏡 (SNOM) を用いた．SNOM は赤外においても20nm の解像度を有する．我々はSNOM を用いてプラズモニック構造の一種であるBull’s eye（BE）構造[2]について表面電界分布の観測を行ったのでこれを報告する．BE 構造は回折格子の回転体であり，今回ポリマーによる転写を用いた簡便なプロセスによりBE 構造を作製した．