ソフトマテリアルを用いた有機非線形光学結晶へのARコートと特性評価

摘要

DASTを始めとする有機非線形光学結晶は、構成される有機分子の超分極率と非中心対称な結晶構造に基づき、大きな二次の非線形感受率x~(2)を有しており、結晶育成法やデバイス構造の最適化により、高出力かつ高帯域なTHz波光源が開発されている。一方、As-grown状態の結晶を使用しているため励起光のフレネルロスが生じるが、その低減を実現できればTHz波出力の向上に結びつくと考えられる。一般的な光学結晶は、誘電体（TiO_2、Ta_2O_5、Al_2O_3、SiO_2、MgF_2など）の反射防止膜（ARコート）をコーティングしているが、有機非線形光学結晶では AR コートのクラックやはく離など、一般的な材料による実用的な AR コートが困難である。そこで本研究では、一種の有機材料であるソフトマテリアルをARコートとして応用するため、成膜条件検討および光学的な特性評価を行った。