BaSi_2 pnホモ接合太陽電池の作製と特性評価

摘要

我々は高効率薄膜太陽電池の新材料としてBaSi_2に注目している。BaSi_2は太陽電池に適した禁制帯幅E_g = 1.3 eVに加え、1.5 eVの光エネルギーに対してa=3×10~4 cm~(-1)と大きな光吸収係数、10 μm と十分大きな少数キャリア拡散長を有している。これまで、B-doped p-BaSi_2/n-Siヘテロ接合太陽電池で変換効率9.9%を記録している。しかし、ヘテロ構造は内蔵電位が小さいため、高効率化にはホモ接合太陽電池が不可欠である。太陽電池を作製する上で、接触抵抗は変換効率に影響を及ぼす。先行研究において、表面電極/BaSi_2間の接触抵抗低減を行い、Sb-doped n-BaSi_2で最小値R_(C, min)=0.019Ω‧cm~2を得た。この値は、B-doped p-BaSi_2での接触抵抗の 1/20である。このため、Sb-doped n-BaSi_2層をトップ層とする、Sb-doped n~+-BaSi_2/B-doped p-BaSi_2/B-doped p~+-BaSi_2構造を作成し、ホモ接合太陽電池の動作を実証してきた。本発表では、吸収層及び表面 n~+型層の作製条件を変えたホモ接合太陽電池の作製と特性評価を行った。