ブラシ付きモータの不釣合い振動に関する研究（第３報，ロータとケーシングの連成振動解析）

摘要

モータを高速化するために，モータの低振動化が重要な課題となる．特にブラシ付きモータの場合，ロータの振動が整流子とブラシの接触状態に影響を及ぼし，モータの性能と寿命の低下に至る．ブラシ，整流子，コアおよびファンを有するブラシ付きモータを設計対象として，運転回転数における振れまわり振動を低減できるロータの実現を本研究の目的とする．これまでに著者らはロータの線形振動モデルを構築し，ロータを構成する部品の配置が異なる二形態に対して軸振動解析を行った．各形態について部品の体格寸法の違いによる危険速度，モード形状，定常不釣合い振幅の変化を評価し，形態と体格寸法を選定することで低い定常不釣合い応答が得られることが分かった．近年，ブラシ付きモータが製品競争力を背景に小形，軽量化しており，ロータを支持するケーシングが軸受剛性と同等になることが想定されるため，ケーシングの影響を考慮したモデルに拡張する．