飛行経路や二次動力システムを考慮した航空機概念設計法に関する研究

摘要

近年の燃料価格の高騰や環境問題への意識の高まりから，燃料消費量の低減やCO2削減が求められており，その実現のため様々な新技術が導入されつつある．現在注目されている技術に，従来の空調や防氷などのエンジンからの高温，高圧のブリードエアを用いていたシステムを，電力を用いたシステムに置き換えるものがある．これは，Boeing787やAirbus A380などで既に実用化されている．このように，従来よりも電力を用いるシステムを多用し，航空機全体の消費エネルギーの効率を改善する概念は More Electric Aircraft (MEA)と呼ばれている．その他にも，翼に働く摩擦抵抗を低減し，空力性能を改善することを目的とした層流制御技術がある．層流制御技術は，航空機の主翼においては実用に至っていないが，既に様々な研究がなされており，将来の実現が期待されている技術である．