燃料噴射条件の最適化によるポート噴射式ガソリン機関の性能改善

摘要

PFI式ガソリンエンジンに噴霧特性が異なる4種類のインジェクタを掲載し，噴射条件を最適化することで，どの程度性能改善できるかを異なる運転条件で調査した．得られた知見を以下に示す．rn(1) 様々な運転条件での試験を行った結果，噴霧特性及び噴射条件の最適化により，燃費及び排ガス性能が改善できることを確認した．rn(2) ストイキ運転の場合，タンブル強化有無に関わらず，噴射位置が吸気バルブから離れ，且つ噴霧の微粒化性能を改善できるSpray 2では，低負荷から高負荷まで，広い噴射時期において，最良の燃費と排ガス性能が得られる．rn(3) 希薄燃焼タンブル強化無しの場合，噴射時期を排気行程噴射から吸気行程噴射に変更すると，燃焼期間が短くなり，燃焼が安定化する，噴射位置が上流側で，相対的に微粒化性能が良いノズルの場合に，未燃HCとNO_x排出量が低減できる．タンブル強化すると，Spray 2では排気濃度低減が著しく，点火系強化を行うことでさらなるリーン限界の拡大と排気濃度低減が可能になると考えられる．