イオン液体|電極界面における酸化還元反応と電気二重層緩慢緩和の相互作用：電気化学表面プラズモン共鳴法による研究

摘要

イオン液体（IL）|電極界面における電位変化に対する電気二重層構造の緩慢緩和は、非ファラデー電流しか観測されない電位領域内での電気化学表面プラズモン共鳴（ESPR）測定で高感度に検出できる［1］。さらにILにferrocene（Fc）を加えて、ファラデー電流が流れる状況にしても、電極表面近傍における酸化体および還元体の局所濃度を反映するSPR共鳴角の電位依存性は、電気二重層構造の緩慢緩和によると考えられる異常性を示した［2］。本研究では、酸化還元種の帯電状態および酸化還元反応による帯電状態の変化が電気二重層内のイオン分布に影響を与えると考え、荷電官能基を持っFc誘導体に関して検討した。