使用可能な環境範囲を拡大するために：非磁性·耐食チタン合金軸受

摘要

近年，ITの急速な進展に伴い，半導体の集積度が年々増加しており，ナノメートルオータのウエハの加工技術，検査技術が必要になっている．従来，半導体ウエハのパターン加工やっ工ハの検査にはレーザ光を用いた装置が用いられていたが，高密度化に対応するために，レーザ光より波長が短い電子線を使用した半導体製造装置の開発がトレンドとなっている．装置の電子線化に伴い，電子線の発生源である電子銃周辺のウエハホルダやウエハ搬送部に使用される転がり軸受が磁気を帯びていると，転がり軸受の回転によって軸受周辺は磁場変動を生じる．それによって電子線が影響を受け，ウエハの加工精度や検査精度が劣化する．このような電子線が使用される機器には，高レベルの非磁性材料が求められている．NSKは，このような電子線を使用した機器用に非磁性のチタン合金製転がり軸受を開発したので紹介する．