主眼場向井哲哉（NTT物性科学基礎研究所）

摘要

原子は，古代ギリシャの哲学者デモクリトスが，これ以上分割できない物質の最小単位として唱えて以来，科学の教科書などでは馴染みの深いものですが，教科書を離れた日常の生活では，原子と聞いてもあまりピンとはきません。 ．確かに世界のありとあらゆるものは，原子からできているのですが，原子が目に見えることはありませんし，産業上も分子や半導体をつくるための材料といった扱いしかされてきませんでした．