渡辺敏史の“Theジドーシャ論”第111回「最高速度を110km／hに引き上げ」

摘要

去る2016年10月13日、警察庁が発表した高速道路の制限速度引き上げは、日本のモータリゼーションにとって確かに大きな一歩だったかもしれません。なにしろ、名神高速道路の開通からもう半世紀以上にわたって、制限速度はずっと100km／hのまま。今まで幾度となく議論されてはボツになっていた重い重い扉だったわけです。逆にいえば名神高速道路が開通した当時の日本車といえば、モデルチェンジを受けたばかりの二代目クラウンが1.9L直4で90psを誇りましたが、そのトップスピードは140km／h。トップレンジですら100km／h巡航は大変そうな感じですから、国民車構想に沿って計画されたスバル360や三菱500などが喜んで走りまわれるような道路状況ではなかったのでしょう。