食品3Dプリンタと人工知能による食体験の向上に関する研究

摘要

デジタルファブリケーション技術は，食とそのインタラクションをデジタル領域と空間的に連動させることで，食とダイニングのかつてない変革を約束する技術である．その技術の一つとして，食品の3Dプリンティングは，シェフや調理者がコンピュータでサポートされた食品を調理するのを可能にする．人工知能やヒューマンコンピュータインタラクション（HCI）のコミュニティでは，キッチンや食品にコンピュータを組み込む方法について研究することに関心が高まっている．ここで，食品3Dプリンタを設備として活用し，食感など食品の美観を局所的に制御し，食品に新たな創造性を持たせ，食体験を向上させることを目的とした研究活動に焦点をあてている．本論文では，「コンピュータ」をデジタルファブリケーション設備，3Dプリントプロセス，人間の秩序とデジタルコンテクストをつなぐプログラマブルな事柄とよぶことにする．