GERDと骨粗鬆症に伴う危弱性骨折による亀背，それによる食道裂孔ヘルニアとの関連

摘要

骨粗鬆症は，骨密度の低下と骨質の劣化によ り骨強度が低下し，骨折の危険性が増大する疾 患である.多因子疾患であるが，エストロゲン 欠乏や加齢，生活習慣病の影響が大きい.日本人では，腰椎L2-L4の骨粗鬆症の有病率は年 齢とともに上昇しているが，特に女性にその傾 向が著しく， 40歳以上の男性では3.4%,女性 では19.2%である（図1).腰椎骨粗鬆症は640 万人(男80万，女560万)，大腿骨頸部を合わ せると骨粗鬆症の患者数は1,280万人(男性 300万人，女性980万人）と推計されている. Fujiwaraらは，椎体骨折は近年に生まれた人 ほど発症率が低くなり,，10年出生が遅いと発 生率は約1/2に低下していると報告している.