PDSを応用した関節炎の実験的制御

摘要

再生医学の臨床応用として，ある再生因子を生体に投与し，傷害された組織における生体自身の再生治癒を促す場合，再生を担うのは蛋白質や低分子化合物などの物員、分子であり．その効果を生体内でいかに有効に長く発揮させるかが，再生の成否に影響する。 Drug delivery systemはそのための有効な手段である　関節リウマチ（RAきは，全身の関節滑膜を病変の主産とする，原因不明の難治性の自己免疫疾患である。 RAに対する新たな治療戦略として，組織再生能力を有する増殖因子である，肝細鞄増殖因子（HGF）の治療効果を．実験的関節炎で解析した。 HGFは投与後速やかに体内から消失して行くので，組織内にできるだけ留める目的で，HGF蛋白をゼラチンゲルに組み合わせて徐放化し，皮下投与した。 徐放化HGFの投与により，コラーゲン誘導関節炎は強く抑制され，DDSを応用した投与が実験的には有望であると考えられた。