Hunt症候群後遺症による瞼裂狭小化に対する外眼部手術-腱膜固定による眼瞼下垂症手術の併用-

摘要

Hunt症候群の回復が遅れると神経の迷入再生により患側表情筋の病的共同運動と拘縮が生じる。特に罹患側の眼輪筋の緊張亢進により臉裂が狭小化し、健側の過剰な眉毛挙上が起こり、顔面の著しい非対称をもたらす。この病的な状態は不可逆的といわれる。成人では多少なりとも眼險挙筋腱膜の菲薄化·伸展化が生じおり、顕性ぁるいは不顕性の腱膜性眼瞼下垂症を合併している。後遺症の險裂の狭小化は眼輪筋の緊張亢進に由来するが、腱膜性眼險下垂症が臉裂の狭小化を加速させ、さらに健側の過剰な眉毛挙上をももたらすと考えられる。眼輪筋の切除·離断による閉險筋群の筋力の減量とともに腱膜固定による眼瞼下垂症手術を行ったので結果を報告し、治療効果を考察した。