胃悪性リンパ腫放射線治療後の胃粘膜障害一放射線治療後に発生するgastric antral vascular ectasia

摘要

胃悪性リンパ腫の放射線治療症例24例中4例にgastric antral vascular ectasia (以下GAVE)の出現を 認めた.そのうち1例はGAVEからの出血があり，argon plasma coagulationでの治療が必要であつ た.GAVE発生時期は放射線治療終了から3?6力月後であり，消退時期は12?24力月後であった.放 射線治療による胃粘膜障害は総線量50Gy以下ではおきないと言われているが，自験例は総線量43.2Gy が1例，その他の3例は30Gyであり，比較的低線量でも粘膜障害をきたす可能性があると思われた.