サンプリングモアレカメラによる変位および回転角の時系列計測システムの構築と道路橋への適用

摘要

近年，道路橋の異常診断をするために，光学的手法を用いた非接触で簡単に計測が可能な変位計測装置の開発が求められている．従来，変位の計測手法としては，ワイヤー式変位計を取り付ける方法などが用いられてきたが，設置に手間がかかる問題があった．そのため，光計測技術などを用いて効率よく計測が可能な変位計測手法が求められている．光計測技術の手法として，レーザーなどの光を用いた手法や画像を用いる方法などが研究開発されている．それらの中でもデジタル画像相関法は近年多くの研究開発が行われている．画像を用いた変位計測手法の中で，格子画像の位相解析を用いる手法がある．その中で空間的縞解析法が提案されており，1枚の格子画像に対して間引き処理を行うことでモアレを発生させ，その間引く位置を変えた複数枚のモアレ画像を用いて位相解析を行っている．著者らはこれを応用し，2次元格子画像に平滑化処理をすることで1枚の2次元格子画像から2方向の位相分布を求める手法を提案し，これをサンプリングモアレ法と呼んでいる．