将来のモビリティと自動車文化：マイカーから公共交通への移行はどこまで可能か

摘要

現在日本においては，大都市では自動車の渋滞，都市交通の混雑といった事象が日常化し，地方では鉄道，バスの衰退，自動車交通利用の一般化が進むという二極化が進んでいる．特に地方においては自動車交通が一般化し，鉄道·バスといった公共交通は衰退の一途をたどっている．エネルギー事情や環境への影響を考えると自動車交通から鉄道を中心とした公共交通へのモーダルシフトが望ましいのであるが，現実問題として，自動車交通がますます重要性を占めている状況である．本稿では，鉄道を中心とした公共輸送がモーダルシフト実現のためにいかに努力しているかを紹介することとする．