地方分権時代のまちづくり，地域づくり震災復興のまちづくりを体験して

摘要

地方分権時代の到来である．これまであらゆることが中央政府で決められ，地方団体はおおむねそれに従ってきた．中央政府が全国一律で決めた施策は現場で妥当しないことが多いが，それは国が決めたことだからやむを得ないと不承不承了解していた．また，地方の現場でぜひとも解決しなければならない課題が生じても，制度や補助金がないので，これを取り上げて実施することを躊躇してもいた．これまでの地方行政は護送船団型であり，自治行政とはいうものの，意思決定や政策選択の重要な部分を国に委ねていたといっても過言ではない．このことはまちづくりや地域づくりにも色濃く浸透していた．