半溶融成形法による高放熱性アルミ合金「AsG-1」の開発

摘要

ハイブリッド車、電気自動車などの次世代自動車では、蓄電池やパワーデバイスの高出力化、小型化に伴い発熱密度が上昇し、この発熱に対する放熱対策が大きな課題となっている。自動車業界に限らず、電気を使用するあらゆる産業界においても、同じ問題をかかえている。放熱対策として使用されるヒートシンクなどは、金属系であれば銅やアルミニウムが使用され、大量生産の場合は、押出成形や鍛造でつくられている。しかし、これまで行われてきたフィン部の緻密化による性能改善策は、加工性や熱抵抗などの観点からほぼ限界に達していると考えられている。また、押出成形や鍛造は、製造法に起因する問題から形状の自由度が少なく、加えてコスト高によりその使用に限界がある。この場合は鋳造法が選択され、主にアルミ合金のダイカスト法が使用されている。しかし、従来のダイカスト材では熱伝導性に限界があり、放熱性の高い材料へのニーズが高い。