中小製造業のためのメンタルヘルス対策入門 最終回: これから会社に求められること

摘要

これまでメンタルへルス対策を行ってきた会社もこれから行う予定の会社も社内に体制をっくり、その連携が十分にとれるようにしていくとよい。そこにかかわるのはメンタルヘルス推進担当者、衛生管理者（規模により安全衛生推進者）、産業医である。これに人事担当者と担当役員までを含めて連携を図っていく。産業医は、労働者数50人未満の事業場では選任義務はないが、何かあったときに相談できる産業医を近隣に探しておくことを勧める。それぞれの体制が整ったら人事担当者を中心に連携を行う。これは、メンタルヘルス対策が人的資源管理にほかならないからである。人事担当者はまず自社内で起きている問題や課題を整理し、適切に管理する必要がある。現時点で確認されているメンタルヘルス不調者についてのデータを1つのファイルにまとめ、管理から漏れる人をつくらないようにし、現在の状況や緊急の連絡先、主治医などの情報をすぐに取り出せるようにしておく。また、人事担当者は、メンタルへルス推進担当者、衛生管理者、産業医らと日頃からコミュニケーションをとっておき、何かあったときはすぐに手元へ情報が集まるように協力を要請しておこう。