高硬度金型による長寿命化への挑戦

摘要

近年、自動車業界では燃費向上や電気自動車などの次世代への命題に取り組むべく、自動車部品では金属からエンジニアリングプラスチックやグラスファイバの含有量の多い樹脂などへの材料置換の動きが進んでいる。それに伴い、金型製作においてもこれまで以上に摩耗·耐圧などへの耐久性が求められている。静岡市において業歴70年を有し、自動車部品を中心にプラスチック射出成形金型の製造を手がける当社は、それに対応する金型づくりが求められると考え、2017 年からその開発を進めた。本稿では、50～60 HRCの高硬度の焼入れ材を切削加工する際のプロセスおよび加工事例とその想定される効果を紹介する。