やわらか経営談義 押さえておきたい中小製造業の経営ポイント 第3回 管理職の育成法

摘要

筆者はこれまで多くの企業の相談を受けてきた。会社によって課題は異なるが、その中で共通して多い悩みは「管理職が育たない」というものである。管理職と一口に言ってもその実態はさまざまである。課長クラスのことを指す会社もあれば部長·役員クラスのことを指す場合もある。小さな会社の場合、肩書があっても実態は熟練作業者であったりるすこともあり、そもそも大企業のような見た目からして管理職という人は少ないケースが多い。また、管理職という呼称ではなく「マネージャー」と呼ばれるケースもある。そこで今回はさまざまな形態がある中小企業の管理職に焦点を当て、その育成方法を紹介していきたい。管理職について社長から問題を受ける際に、「そもそも御社の管理職は何を『管理』する存在なのですか？」という質問をすることがある。すると、答えられないケースがかなり多い。答えられたとしても「全社的な視点でマネジメントする存在だ」といった、非常にあいまいな返答がくることも多い。管理職が育たない最大の原因は「何をする人なのかよくわからない」ということに起因していることがかなり多いと感じる。