ボトルネックをなくし仕事を取り込む余力を－具体策は「多能工化」

摘要

2021年3月号から、昨年筆者が行った部長や課長などミドルマネジメント層向けセミナーの内容を紹介している。今回も引き続き、労働分配率を改善していくための具体策について解説する。1型当たりの製造原価にこだわりすぎるため、設備の使い方に悪影響が出てしまうことがある。具体的な事例で考えてみよう。例えば、図のように、社内に2台のマシニングセンタ（MC）があったとする。MC（A）はすでに旧型で高精度な加工ができず機械の減価償却も終わっている。使用用途は主に穴あけやポケット加工で、月間の機械稼働率は現状で30%を割っている。一方、MC（B）は近年導入した機械であり、熱変位対応やスケールフィードバック機能も完備され、μm単位での仕上げ加工が可能であるとする。