持続可能な社会の実現に向けた樹脂材料開発の動向

摘要

世界のプラスチック生産量は、1950年の200万tから2015年に3億8,000万t以上に増加した。包装用途から繊維、建相·に至るまで、プラスチックはわれわれの衣食住に欠かせない存在となっている。しかし、原料となる化石資源の枯渇への不安に始まり、現在では生産から焼却処分までの工程における温室効果ガスの排出量や、環境中へ流出したプラスチックによる環境汚染が大きな問題となっている。本稿では、樹脂を取り巻く社会情勢を踏まえ、バイオプラスチックに主軸を置き、現在どのような樹脂の開発が進められているのか、何が樹脂開発に求められているのかを紹介する。