第16回 ロボットの「目」はカメラだけではない（上）「目」の選択を間違えると、失敗の元！

摘要

今回は、これまで筆者が述べてきた「ロボットのティーチング」とは異なる観点について述べる。最近、筆者が産業用ロボットのコンサルタントとして多くの企業を成功に導いているという噂が広まっているおかげで、当社に多くの企業から「ロボットの先端にカメラをつけて製品の検査をしたい」、「カメラで製品の位置を把握してロボットで加工したい」などの問合せが届くようになった。要するに人間に例えれば、「ロボットは腕」、「カメラは目」なのだからこの2つを組み合わせれば「検査」や「汎用的な加工」がうまくいくはずという考え方である。一見、この考え方は正しいように思えるが、実はこの安易な考え方が、ロボットの導入で失敗をする原因なのである。誤解がなきよう一言添えれば、「カメラがロボットに不向き」と断定しているわけではない。そこで以下では、カメラ以外に選択肢もあること、またロボットメーカーの選択も重要であることの理由も述べる。