ミジンコ類急性遊泳阻害試験のための仔ミジンコ自動分取装置の開発

摘要

ミジンコ類急性遊泳阻害試験は，化学物質あるいは産業排出水の生態系影響評価の代表的な試験の一つである。 この試験の手順の中で最も労力を要する作業は，試験の準備として数百頭の親仔ミジンコの中から仔ミジンコを分別し，概ね5頭ずつ数十～数百の容器に取り分ける作業である。 本研究では，当試験の省力化のための仔ミジンコ自動分取装置を開発した。 当装置により，目的の仔ミジンコの95％が分別され，分別された仔ミジンコは概ね5頭ずつ分取された（平均5.2頭，標準偏差0.8頭）。 当装置による仔ミジンコへの悪影響の有無の確認として，自動分別・分取された仔ミジンコ及び従来の手分けによる仔ミジンコについて7日間の生存試験及び重クロム酸カリウムによる遊泳阻害試験を行った。 当装置によって自動分別・分取された仔ミジンコに悪影響は見られなかった。