尿路上皮がんに対するゲノム医療の現状と展望

摘要

本邦では2018年12月に2つのがん遺伝子パネル検査（国立がん研究センターによるOncoGu-ide~?と製薬会社が提供するFoundationOne?）が薬事法の承認を得た.2022年3月現在,厚生労働省によって指定された,全国12か所の「がんゲノム医療中核拠点病院」,188か所の「がんゲノム医療連携病院」,33か所の「がんゲノム医療拠点病院」でがんゲノム医療が提供されている（図1）.,現在,泌尿生殖器がんにおいては,前立腺がんにおけるBRCA1/2変異の同定にがん遺伝子パネル検査が用いられている.今後,尿路上皮がんに対してもがんゲノム解析に基づく個別化治療の適用が広まると予想される.本稿では,尿路上皮がんのがんゲノム医療の現状と今後の展望を概説する.