脊髄損傷における下部尿路機能障害の 診療ガイドライン［2019年版］概要?

摘要

脊髄損傷(spinal cord injury ； SCI)患者にお ける下部尿路機能障害(lower urinary tract dysfunction :LUTD)に対する適切な診療の重要性を 最初に示したのは,第二次世界大戦中に英国の 国立脊髄損傷病院(ストークマンデビル病院)に おいてガットマン博士が主導した多職種連携チー ムによる診療である1).同施設では,定時の体位 変換と無菌間欠導尿,リハビリテーションへのス ポーツの導入を行い,SCI患者の生命予後と社会 復帰率を劇的に改善させた1).その後も,SCI患 者における生命予後と生活の質(quality of life ； QOL)を改善させる観点から,LUTDに対する適 切な診療の重要性は揺らぐことなく今日に至っ ている.