MIGSの歴史と概念

摘要

Minimally (micro-) invasive glaucoma surgery(MIGS)は結膜切開を施行しない,あるいは極わずかな結膜切開で行う低侵襲緑内障手術である.いくつかの異なるタイプの手術が含まれるが,現在日本で行われているMIGSはほぼすべて線維柱帯をターゲットとした流出路再建術である.日本では以前から強結膜を切開して行う眼外アプローチの線維柱帯切開術が 成人の開放隅角緑内障に対して一般的に行われていた.線維柱帯をターゲットとするMIGSの手術効果や適応は概ねこれと同じと考えられ，MIGSにおける結膜切開を必要としないメリッ 卜は大きい.日本でもMIGSは急速に普及しており,今後は濾過手術タイプのMIGSも登場し てくる.今後も適切な症例に適切な術式を選択できるように尽力していく必要がある.