遍伝子工学?酵素工学?タンパク質工学

摘要

遺伝子工学、タンパク質工学の分野では、代謝改変による物質生産性の向上や新規有用酵素の探索、同定に関して、多くの発表がなされた。有用物質生産に関して、武藤ら（東京農工大院?工）はオイル高生産微細藻類Fistulifera solarisがグリセロール資化能を有することを明らかとした。また、内在性グリセロールキナーゼの発現を強化した株をグリセロール添加培地にて評価したところ、非添加の場合よりもオイル生産性が26%向上することがわかった。野村ら（香川大?農）は近年注目されるアロースゃプシコースといった希少単糖に続き、根粒菌から得られたD-グルコシド-3-デヒドロゲナーゼを用いて新規希少二糖の創出を目指した。本酵素はグルコースの3位を酸化する酵素であるが、グルコースよりもゲンチオビオースゃラクトース、セロビオースなどといった二糖に高い反応性を示した。続く還元反応との組み合わせで得られる様々な希少二糖の生理活性には期待が持たれる。