目標原価を達成する「コスト見積もり術」: 第1回 原価企画に求められる見積もり方法とは

摘要

以前に依頼を受けた製品開発の事例について述ベます。対象となった製品は健康機器で、既にプロトタイプ品（ひな形）がありましたが、それはたんに中核になる機構のみ作られたものでした。その会社の社長さんはプロトタイプ品を見ながら、「この製品を10万円以下の原価で作りたいと数社を訪ねたが、無理だと断られてしまった。何とかならないか」と、私に相談してきたのです。その後、社長さんに製品仕様や構造などの確認を行い、目標原価10万円での製品開発が可能と判断し、依頼を受けました。現在の製品開発において、原価（目標原価）が設定されていることは当たり前となっています。そして製品開発では、顧客のニーズを満たし、かつ目標原価を達成することが求められます。このように、製品の開発について原価（コスト）面の視点から検討することを「原価企画」と言います。