高分子（樹脂）/アルミニウム接着界面の解析と結合メカニズム--第2回アルミニウムの表面キャラクタリゼーション

摘要

接着界面の解析に入る前に、基板となる金属アルミニウム表面の組成と構造について述べる。 金属の表面構造の情報はXPS、SIMS及びAESなどの表面分析装置が出現するまでは、電子回折による表面構造の解析やエリプソメトリー（楕円偏光法）による酸化膜厚測定など極めて限られていたが、1970年代に入って上記の表面分析法が開発されたことによって急速に進展した。 これまでの低速電子回折（LEED）は原子配列（周期性）の情報が主で、金属の単結晶の薄膜を試料にする必要があること、また高速反射電子回折（RHEED）でも電解研摩などで表面を平滑にする必要があるなど諸々の制約があって、実用材料の表面にそのまま適用できない欠点があった。