鼠径部切開法

摘要

鼠径部ヘルニア手術は，最も古くから行われ てきた手術であり，長い歴史を持っている。現 在.術式として鼠径部切開法と股腔鏡下手術 に分類されるが，鼠径部切開法から始まったこ とはいうまでもない。近代のヘルニア手術は.Astley Paston Cooperが1804年に横筋筋膜を 免見し，ヘルニアとは人体におけるこの筋膜の 欠損であると定義したことから始まり.その 後さまざまな鼠径部へルニァ手術が開発され ることとなる。1887年.イタリア人のBassini がBassini法と呼ばれる後壁を補強する新しい 術式を開発し.全世界で数多く施行された。 1942年Chester McVayは，横筋筋股の詳細な 解剖を明らかにし.横筋筋膜とCooper靭帯と を縫合し閉鎖するMcVay法を開発した。さ らにこの延ぉ線上にCondonがilio-pubic tract repairを開発した。