高機能リボザイムの創製と白血病治療への応用

摘要

リボザイムとは触媒機能を持つRNA一般を指し、狭義にはRNA鎖を部位特異的に切断するRNA分子のことである。 アンチセンス核酸と同じく、標的遺伝子のmRNAに結合して（塩基対を組んで）初めて仕事をする分子がリボザイムである。 アンチセンス核酸との違いは、アンチセンス核酸が他力本願であるのに対し、つまり、アンチセンス核酸は標的遺伝子のmRNAに結合しても自分自身ではmRNAを切断できず、細胞内のRNA分解酵素活性に依存しているのに対し、リボザイムは自分自身の機能で塩基対を組んだmRNAを切断する。 したがって、ウイルス遺伝子や癌原遺伝子と塩基対を組むような配列のリボザイムを設計することにより、その遺伝子の発現を抑制することが可能となり（遺伝子治療）、機能を調べたい遺伝子を標的にすればその機能解析も可能となる。