超音波とバイオ: 遺伝子#12539;細胞機能に対する新しい超音波の作用の発見と医療への応用

摘要

生物学での超音波の利用といえば、細胞破壊や高分子の切断などがある。一方、医学での利用については広く画像診断に用いられているが、治療応用では熱的および機械的エネルギーを利用した理学療法装置や超音波メス等の手術装置への利用に限られていた。 ところが、最近の超音波の生物学および医学利用、とりわけ治療応用の研究の進歩により、超音波により細胞内へ遺伝子導入ができること、遺伝子制御された細胞死であるアポトーシスが誘導されること、照射された細胞の遺伝子発現が変化することなど、機械的エネルギーの代表である超音波が生物機能単位である遺伝子の発現・制御にも大きく関わることがわかってきた。