前房炎症の見方

摘要

前房炎症の所見をとることはぶどう膜炎の鑑別診断の第一歩である,チェックポイ ントとしては前房内細胞,前房内フレア,角膜後面沈着物の性状,前房蓄膿,フィブリン（線維 素）析出,虹彩結節?隅角結節,虹彩後癒着,周辺虹彩前癒着の有無，虹彩萎縮の有無と性状が ある.豚脂様角膜後面沈着物?虹彩結節?隅角結節は肉芽腫性ぶどう膜炎,微細角膜後面沈着 物?前房蓄膿?フィブリン析出は非肉芽腫性ぶどう膜炎でみられることの多い所見である.特 に角膜後面沈着物の所見は多彩で，典型的な所見を呈しているときはそれだけで原因疾患を推 測可能である.前房蓄膿もベーチェット病によるものではさらさらとして可動性があるのに対 し，急性前部ぶどう膜炎では粘性があってフィブリン析出を伴いやすいという特徴がある.ウ イルス性では特徴的な虹彩所見を呈することがあり,鑑別診断に役立つ.