脳静脈洞血栓症

摘要

脳静脈洞血栓症は,脳静脈洞の閉塞に伴い,頭蓋内圧亢進，脳浮腫，静脈性梗塞を きたす疾患である.比較的稀な疾患であるが，若年者に多い脳卒中として重要である.初期症 状として頭痛を伴うことが多いが，視機能異常で発症する例もあり注意が必要である.診断技 術の進歩による早期発見,早期治療が予後の改善をもたらしているとはいえ,ときに重篤な後 遺症を呈することもあり，初期対応が重要である.頭痛，視機能異常など症状が多彩で非特異 的であるが,頭蓋内圧亢進が疑われる場合は，本疾患を念頭に置いて診療を行う必要がある.