網膜中心静脈閉塞の黄斑浮腫に対するNAVILASの効果

摘要

緒言：1995年.Central Vein Occlusion Studyより効果がなく推奨されないとされた網膜中心静脈閉塞による黄斑浮腫 (CRVO-ME)への黄斑部光凝固について，NAVILASを用いて施行しその効果を検討したので報告する.対象と方法：対象は 過去何回にもわたり抗VEGF薬治療を受けたものの再燃を繰り返すCRVO-MEで.当治療に対し同意の得られた11例11眼. これらの患者に対しNA VILASでの黄斑部光凝固を施行し，施行直前と施行後1年での視力?中心窩網膜厚（MT)の変化，術 前後1年での治療回数の変化について後ろ向きに検討した.結果：視力はlogMAR視力で術前0.46,術後1年で0.48で変化を 認めなかった（p = 0.78). MTは術前461.3mum.術後1年で290.7 で改善を認めた（p = 0.04).治療回数は術前後1年間で それぞれ2.8回，1.2回で治療回数の有意な減少を認めた（p<0.01).結論：NAVILASでの黄斑部光凝固によって視力改善効 果は認められず結果は既報の通りであったが，視力を維持し治療回数を減少させるには一定の効果が得られた.再燃を繰り返す CRVO-MEにはNAVILASでの黄斑部光凝固が有効であった.