地域公共交通活性化再生法に基づく取組と課題

摘要

持続的に地域の移動手段の確保及び維持を図っていくためには，地域全体で主体的に取り組むことが重要である。このため，国においては，平成19年に地域公共交通活性化再生法を制定し，平成26年の改正等を経て，地方公共団体が主体となり，地域の関係者が一体となって，持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を図っていくことを支援する枠組みを構築している。本稿では，地域公共交通活性化再生法の制定に至った経緯を振り返ると共に，現在地域公共交通が抱える課題やそれに対する今後の対応の方向性について，昨年6月に「地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会」においてとりまとめられた提言を踏まえて解説していきたい。