日本大学における口腔内悪性黒色腫の外科手術+放射線治療

摘要

症例は，トイ、プードル，13歳齢,去勢雄,体重3.1kgである。 1力月前に口臭が気になり，3週間前に左上顎歯肉に10mm 犬の腫瘤を発見した。すぐに掛かりつけ動物病院を受診し生 検したところ，悪性黒色腫と診断された。日本大学生物資源科学部付属動物病院(以下，当院）に紹介 来院し，術前評価を行った。腫瘍はピンク色で,左上顎第1,第 2後臼歯歯肉に存在した（長径13mm,幅11mm)(図1)。CT 検査にてあきらかな骨融解を認めた力；，著明な眼窩浸潤はな かった（図2a，b)。下顎リンパ節の腫大はなく （左右4mm 大).針生検にてあきらかな異常はなかった。CT検査にてあ きらかな肺結節を認めなかったため，T1N0M0, WHOス テージ1と診断した。