国内旅客船事業の運賃·料金に関する制度の現状

摘要

ここでは国内旅客船事業のうち，離島航路や長距離フェリーの運賃·料金に関する現状の制度の概要を説明する。国内旅客船事業は,海上運送法第2条の海上運送事業のなかでも船舶運送事業と定義されている。これは，「海上において船舶により人又は物の運送をする事業」であり，定期航路事業と不定期航路事業の2つに大別される。このうち定期航路事業は,「一定の航路に船舶を就航させて一定の日程表(ダイヤ)に従って運送する旨を公示して行う船舶運航事業」であり，旅客定期航路事業と貨物定期航路事業に分けられる。前者の旅客定期航路事業は,「旅客船(13名以上の旅客定員を有する船舶)により人の運送をする定期航路事業」である。