信州大学医学部附属病院における糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬投与の現状と黄斑浮腫との閼連の検討

摘要

目的：Sodium glucose co-transporter 2 (SGLT2)阻害薬が処方された糖尿病患者の眼合併症の有無と黄斑浮腫へ の影響について検討する.方法：対象は信州大学医学部附属病院にて2014年10月?2019年1月にSGLT2阻害薬を 処方され，期間中に眼科を受診した80例.処方前の糖尿病網膜症の有無と病期，黄斑浮腫の有無，光干渉断層計 (OCT)検査が施行された16例27眼については中心窩網膜厚の変化を，診療録から後ろ向きに検討した.結果：80例 中42例に糖尿病網膜症の合併，28例に治療歴を含む黄斑浮腫の合併を認めた.OCT検査例全体で処方前(346.0+-134.6mum)より処方後(321.5+-97.6mum)に有意な中心窩網膜厚の減少を認めた(p=0.02).うち2例4眼で眼科での治 療が行われていなかったにもかかわらず100mum以上の網膜厚の減少を認めた.結論：SGLT2阻害薬が黄斑浮腫に影 響を与えうる可能性力示唆された.