日本の石化産業を巡る現状と今後今春まで絶好調も今後は不透明感が

摘要

2009年までの日本の石油化学業界を支配していた考え方は、中東をはじめとした産油国に巨大なエチレン·プラントが立ち上がり、安価なポリエチレンが大量に出回ることとから、日本の石油化学産業は過剰供給力に直面し、業績が急速に悪化するのではないかというものであった。ところが、リーマン·ショックを経て、予想を上回る中国の石油化学製品需要の高まりによって、供給能力が需要の伸びに追いつかず、日本からの石油化学製品の輸出が急速に増加したことによる好調な業績がある（図表1）。