トョタ自動車におけるデザイン?ものづくりプロセスの変革 第5回: 1950年代後半から1970年ころまでのものづくり形態の概要 その②

摘要

さて、トョタ自動車における技術分野でのコンピュータ(電算機)の利用は、I960(昭和35)年に間接相似型アナログコンピュータ(電算機)の導入が最初とされる。ここでは、微分方程式の解析、つまり分析したい現象を方程式(おもに常微分方程式)で表現し、その方程式を解く装置によって解を求める方式の解析を行ったのが始まりである。同年に導入された事務用のIBM650型も一部技術用に用いられたが、1962年10月に科学技術用コンピュータ(電算機)FAC0M202型(パラメトロン(励振周波数:6MHz)、主記憶:コア4,096W、サイクルタイム20μs、大型科学用、2進、符号+47bit(52bit/W)、クロック:60KHz、加減算：0.04ms,乗算:0.32ms、除算:1.60ms)を技術専用に導入した。加えて、同年には第2技術部に専任メンバが設置され、ボディ?機能部品開発工程、研究?実験?開発工程関係のCAD/CAMで電算機が使われた。研究?実験?開発工程では実験データ処理、力学解析としてフレームのたわみやクランクシャフトベアリング荷重などが行われた。1968年には第2技術部管理室が発足して、ボディ?機能部品開発工程では設計計算でエンジンカムプロフィル、サスペンションリンクメカニズム、加速性能が検討された。