海外文献紹介を読んで

摘要

本報告にある歩道橋は,中央スパン37m,有効幅員3.9mと比較的大きな規模であり,断面は鋼管を利用した非常にスレンダーな構成となっている.接合部や付属物,特に振動対策については様々な検討があったと想定する.立体横断施設技術基準?同解説に準拠する場合には,低次の固有振動数が1.5～2.3Hzを避けるように設計しなければならない.固有振動数は,剛性と質量の比率で決定し,このようなスレンダーで剛性が低い構造では,規定の振動数帯に入る可能性がある.これまでの設計思想としては,構造体の工夫のみで振動数帯を避けることをしてきた.中には,構造形式をも見直した案件もあったかもしれない.コスト最小が基本となる中で,デバイスに頼ることなど言語道断だとの思い込みがあるが,良いものを作るためには情報収集し,どんどん提案していかなればならないと感じた.