モニタリング技術がもたらす新しい価値

摘要

橋梁等の構造物の安全性?健全性を評価する手法として，近年，世界的にモニタリング技術に注目が集まっている.モニタリングは，加速度計などのセンサ情報を駆使し，構造物の損傷やその構造性能への影響等を分析し，その時点での「状態（Condition）」を定量的に把握しようとするものである.現在，我が国における構造物の安全管理?維持管理は，目視による点検に基づいて行われており，現状において，モニタリング技術を積極的に取り入れた枠組みには至っていない.一方で，点検とモニタリング技術を組み合わせた維持管理の有効性について検討した研究~(1))も示されてきており，次世代に向けての維持管理のあり方と，モニタリングの位置づけについては議論を深める必要があると考えられる.