政策マトリックスとチェックリスト手法に基づく 自治体エネルギー政策の分析.評価

摘要

地球温暖化の深刻化に伴う温暖化対策の促進が求められる中で，地方自治体における温 暖化.エネルギー対策の一層の強化が期待されている。本研究では，こっした自治体ェ不 ルギ一行政に焦点を当て，エネルギー対策の方向性と課題を抽出する「政策マトリックス」の概念を検討する。これは，自治体の役割である消費主体，事業主体'政策王体といつ3 つの側面と，地域対策の象分野となる需要側対~策，供給側対策'需給両面対策の3つの 分野に区分し，自治体エネルギー対策の枠組みを体系化する考え方である。次に，自治体エネルギー行政の対策体系を分析することを目的に，政策マトリックスV-基づく 「エネルギー対策チェックリスト」を検討.考案し，その内容を項目体系として取 りまとめて提示する。また，大都市近郊の2つの基礎自治体として日野市と枚方市を対象 に事例研究を行い，チェックリスト手法の適用可能性と対策課題の抽出を試みる。その不ロ 果，各々のエネルギー対策体系に関してこの手法を適用して取組状況を分析したとしろ' 2つの自治体のエネルギ一行政は総体的評価である総合点では同じ水準であつたが'対策 分野別には得点分布の状況が異なっており,自治体力S取り組むべき対策課題を把握するし とができた。これはチェックリスト分析が'自治体力S従来から取り組んできたェ不ルギ— 対策の実績等を反映したものと考えられる。こうした結果を踏まえて'本研究ではチエツ クリスト手法の有用性を明らかにし，今後の自治体エネルギー行政の一層の強化に向けた 検討課題を抽出している。