「鋼道路橋のLoad Ratingの検討」を読んで

摘要

国内の道路延長が増加し続ける中で，道路橋のストック資本も当然のことながら増加しており，限られた資金を投じてこれらの機能を確保しつつ合理的かつ効率的に適正な維持管理を行うための手法として大変興昧深く拝読させていただいた.既設橋の耐荷性能評価にあたり，設計基準による違いはあるが，新設橋と同水準であるかを照査し，それに応じた補修·補強を行うといった対応を行いがちである.これは橋の性能を説明し，論じるためにどうしても新設橋の性能との比較になってしまうためであると思われる.既設橋の多くは何らかの損傷や劣化もしくは建設後の改築により荷重増加が生じており，それらに対する既設橋として耐力評価に今回紹介いただいたLRによる評価·対策は世界標準の考え方となっており，大変有効な手法の一つと考える.今後も増加する道路橋のストック資本を限られた資金で適正に管理していくためにも，このような手法の導入に向けて挑戦していくことが重要であると改めて感じた.