軽量電線の概要

摘要

高速船における重量軽減の要求及び一般商船を含めた船舶における生産性向上の観点からの電装工事工数削減要求等により、がい装無し船用電線の需要が高まっている。 がい装無し船用電線といってもただ単に現在のJIS船用電線からあじろがい装を省くだけでは、重量軽減効果及び電装工事の作業改善効果は充分でなく、電線の絶縁材及びシース材として、低比重材料を採用した軽量型電線が必要となる。 しかしながら、これらの材料及びがい装無し電線については、船舶設備規程第236条（ケーブル及びキャブタイヤケーブル）における使用可否の確認及び第1種配線工事によるという規定があり、性能面の検証、ケーブルの敷設及び固定方法の検討をもって現在のJIS船用電線との同等性を確認し、管海官庁の承認を取得する必要がある。 また、これを機会に難燃性を1999年改正の日本工業規格(JIS C 3410-1999)船用電線に適合する耐延焼性船用電線と同等とし、且つ有害なガスを発生しないように、ノンハロゲン電線にして船用電線としての付加価値を高めようとするものである。